分水工内の水位変動に影響されず、定比分水を得る一手法に、分岐水路の取入れ扉幅の可変制御が考えられます。 ゲート扉体の開閉を上下方向から水平方向に変えれば、敷幅の可変制御はできますが、規模が大型化する欠点があります。 写真のフィルム状にゲート扉体を格納できれば、規模は小型にできますが、扉体強度と止水性の確保が課題です。 この課題を解決したのが当社が開発したロール式ゲートです。 |
当社の試作した仕様寸法で、制作費・据付費を他の型式と比較すると、次のとおりです。 |
コスト 単位:千円 |
2.6m3/sタイプ | スライドゲート | ロール式ゲート | オリフィスゲート |
扉体 | 1,500 | 300 | 4,200 |
戸当たり | 500 | 2,100 | |
水密装置 | - | 600 | |
開閉機 | 1,300 | 1,600 | |
据付け | 1,000 | 400 | |
門柱工事 | 220 | - | |
総合 | 4,520 | 5,000 | 4,200 |
スライドゲート | ロール式ゲート | オリフィスゲート | |
水温確保 | △ | ◎ | × |
分水管理 | △ | ◎ | ○ |
計量管理 | ○ | ◎ | ○ |
維持管理 | ○ | ○ | ○ |
耐久性 | ○ | ○ | ○ |
コスト | ○ | △ | ◎ |
分水比率が安定している分水工では、オリフィスの優位性は不動です。しかし、分水比率が流動的で大規模な農業の基幹施設では、分水比を敷幅で管理・調整できるロール式ゲートが威力を発揮します。 |
2年間の現地耐久試験の結果は次のとおりです。 | |
装置の一部にウォームシャフトを採用していますが、シャフト全体を蛇腹ゴムでカバーしているため、溝の目詰まりによる操作障害は起こしません。 扉体の操作荷重は経年変化による操作障害を起こしません。 |
|
ロール式ゲートの端縁部は、刃型加工(扉体部を除く)を施しています。そのため、計量堰並みの精度が期待できます。 精度を検証するために行った水理実験の結果、JIS規格の式を補正した下式により、流量を計測できます。 |
|
扉体に使用したゴムの耐水圧強度を向上させるために、鉄芯を内包しています。 ゲートのユニット化により、従来の戸当り工事が不要です。ユニットを現地に安定させて、すき間をモルタル等で充填すれば完了です。 |
調査区間によってはセンサーを設置可能な施設が無く1km以上となる場合があります。このときの調査方法として管体非接触による調査が可能です。非接触手法とは下の写真に示すとおり,管水路の直上にφ16mmの調査棒を貫入させて,任意の観測ポイントを仮設する調査方法です。 | |
【センサーの設置状況】 |
現地で検知した低周波の振動波形。様々な周波数帯の振動を検知し、そこから漏水特有の振動波を抽出します。 | |
【現地調査でのデータ記録(低周波)】 |
|
管径、管種、分岐状況など基礎調査で把握された与条件と独自のノウハウを活用し、漏水位置を確定させます。 | |